AIで映像を作れることと、それを自社の広告として公開してよいことは、別の話です。
生成ボタンを押せば数分で映像が出てきます。技術的には「使える」状態です。しかし規約上「使っていい」かどうかは、サービスごとに違います。無料プランでは商用利用を認めていない、生成物の権利をサービス側が保持する、クレジット表記が必須、といった条件が付いていることがあります。
公開してから気づくと、動画の取り下げが必要になります。この記事では、公開前に確認する4項目、実務で起きやすい問題、社内の確認フローの作り方を整理します。
なお、以下は実務上の確認の観点をまとめたものです。**個別の案件の可否は、契約している規約と状況によって変わります。**判断に迷う場合は専門家にご確認ください。
AI生成の映像は自由に使えるのか?
自由ではありません。使えるかどうかは、契約しているサービスの利用規約で決まります。
同じサービスでも、プランによって条件が変わることがあります。無料プランは個人利用のみで、商用利用は有料プランから、という形が典型です。「試しに無料で作ったものが良かったので、そのまま公開した」というのが、もっとも起こりやすい事故です。
確認すべきなのは、次の3つの層です。
- 生成に使った素材:学習データではなく、自分がアップロードした画像や音声のこと。その素材を使う権利があるか
- 生成物そのもの:商用利用が認められているか。権利は誰に帰属するか
- 公開する場所:広告での使用を制限しているサービスがあります
このうち見落とされやすいのが1つ目です。自社で権利を持っている素材か、商用利用可のフリー素材であれば問題ありません。注意が必要なのは、他社の商品写真や、権利者のいる画像・音楽をそのまま参考素材としてアップロードする場合です。フリー素材でも、AIの学習・生成への利用を禁じている配布元があるため、配布元の利用条件を1度は確認するようにしてください。
AIをどの工程に使えるかの全体像はAI動画制作で任せていい工程・ダメな工程で整理しています。
公開前に確認する4項目は?
公開前に、次の4つを必ず確認します。1つでも不明なら、その部分はAI生成を使わないほうが安全です。
| 確認項目 | 見るところ | 不明なときの対応 |
|---|---|---|
| 商用利用の可否 | 契約プランの利用規約 | 有料プランへ変更するか、その部分を差し替える |
| 生成物の権利の帰属 | 規約の権利条項 | 中核部分には使わず、補助的な素材に留める |
| クレジット表記の要否 | 規約の表記義務の記載 | 表記が必要な前提で説明欄に入れておく |
| 実在の人物・商標との類似 | 生成結果を目視で確認 | 人物が中心の映像は実写に切り替える |
4つ目は目視でしか確認できません。 特定の人物を指示していなくても、結果的に実在の人物に似ることがあります。ロゴや商標に似た図形が入り込むこともあります。公開前に、制作した本人以外の目で1回確認する工程を入れてください。
2つ目の「権利の帰属」は、扱いが分かれる部分です。生成物の権利をサービス側が保持する規約もあれば、利用者に譲渡する規約もあります。他社に真似されて困る中核部分を、AI生成だけに頼らない設計にしておくのが実務的な対処です。ブランドの象徴になる映像は撮影で押さえ、補助的な背景やイメージ映像にAIを使う、という配分にすれば、確認が必要な範囲そのものが小さくなります。
実務でどんな問題が起きるのか?
企業でよく起きるのは、次の3つです。いずれも公開前の確認で防げます。
- 無料プランで作って公開してしまう:後から商用利用不可と分かり、動画の差し替えが必要になります。制作にかけた時間がそのまま無駄になります。
- 担当者が変わって経緯が分からなくなる:どのサービスのどのプランで作ったかが残っていないと、後から確認できません。動画ファイルと一緒に記録を残す必要があります。
- 規約が変わる:AIサービスの規約は更新されます。公開時点で問題なくても、長く使う動画は定期的に確認したほうが安全です。
とくに3つ目は、自社だけ気をつけていても防げません。動画を長く使う前提なら、素材の出どころを記録に残す運用が必要になります。
社内でどう運用すればいいか?
大がかりな仕組みは要りません。次の4つを決めておくだけで、ほとんどの問題は防げます。
- 使ってよいサービスを社内で決める:都度判断するのをやめ、規約を確認済みのサービスだけを使うようにします。
- 契約プランを商用利用可のものに統一する:無料プランでの制作を禁止すれば、もっとも多い事故が消えます。
- 公開前の確認者を1人決める:制作者本人以外が、上の4項目をチェックします。
- 素材の出どころを記録する:どのサービス・どのプラン・いつ生成したかを、動画ファイルと同じ場所に残します。
とくに4つ目は後から復元できません。担当者が変わったあとに規約を確認し直そうとしても、どこで作ったか分からなければ調べようがないためです。動画ファイルと同じフォルダにメモを1枚置くだけで足ります。
まとめ
AIで映像を作れることと、商用利用してよいことは別です。確認すべきは、商用利用の可否、生成物の権利の帰属、クレジット表記の要否、そして実在の人物や商標との類似の4つ。無料プランで作って公開してしまう事故がもっとも多いため、使ってよいサービスと契約プランを社内で決めてしまうのが確実です。長く使う動画ほど、素材の出どころを記録に残してください。
ムービルドは実写・アニメーションの両方に対応しています。実在する商品や人を見せる部分は撮影で、仕組みの説明はアニメーションで、といった形にすれば、権利の確認が必要な範囲そのものを小さくできます。1,000人以上のクリエイターコミュニティと連携しているため、撮影が必要な場合も撮影地の近くのメンバーが対応できます。窓口はディレクター1名に一本化しているため、お客様がカメラマン・編集者のそれぞれとやり取りする必要はありません。
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