「撮影の予定が立てられないので、会社紹介動画は後回しになっている」というご相談をよくいただきます。
結論から言うと、手元にある写真と資料だけでも、会社紹介動画は作れます。事業の内容、強み、実績、拠点、沿革。これらは文字と図で伝わる情報なので、カメラを回す必要がありません。撮影が必要になるのは、働く人の表情や現場の空気といった、その場にいないと分からないものを見せたい場合だけです。
この記事では、使える素材の見分け方、足りない部分の埋め方、素材を使う前に確認すること、そして撮影なしでは届かない範囲を整理します。
会社紹介動画は撮影なしで作れる?
作れます。ただし、伝えたいことが「情報」なのか「空気」なのかで判断が分かれます。
撮影なしで成立するのは、次のような目的の場合です。
- Webサイトに置いて、事業の全体像を短時間で理解してもらいたい
- 商談の冒頭で、会社の輪郭を先に渡したい
- 展示会やイベントで、通りがかりの人に事業内容を伝えたい
- 取引先や金融機関への説明資料として使いたい
逆に、撮影なしでは届きにくい目的もあります。
- 採用で「どんな人が働いているか」を伝えたい
- 工場や店舗の規模感を体感してもらいたい
- 代表の人柄を前に出して信頼を得たい
この線引きが、そのまま撮影の要否になります。 情報を渡す動画なら撮影は不要、空気を渡す動画なら撮影が必要、と考えてください。
なお、撮影なしで作った動画はあとから撮影分を足せます。まず既存素材で1本つくり、必要になった段階でインタビューや現場のカットを追加する。この進め方なら、最初の費用を抑えながら、必要な部分だけ後から撮り足せます。
費用の観点からの削り方は会社紹介動画を安く作るための5つのポイントにまとめています。
どんな素材が使える?
次の5種類が揃えば、90秒前後の会社紹介動画は成立します。
| 素材 | 使える条件 | 注意する点 |
|---|---|---|
| 会社の外観・内部の写真 | 現在の状態と一致している | 移転・改装後は使えない |
| 社員が働いている写真 | 顔が分かる場合は本人の同意がある | 退職者が写っていないか |
| 商品・納品物の写真 | 現行の仕様と一致している | 旧パッケージ、旧ロゴに注意 |
| 資料の図・グラフ | 数字の出どころを説明できる | 古い数字のまま使わない |
| ロゴデータ | 元データ(画像が粗くないもの) | Webから拾った画像は使えない |
もっとも多く見つかるのに、もっとも使いにくいのが「社員が写っている写真」です。 社内イベントや懇親会の写真は数がありますが、退職者が写っていたり、業務中の様子ではなかったりして、会社紹介には使いにくいことが多くあります。
素材を集めるときは、フォルダごと渡してしまうのが早いです。使えるかどうかの判断は制作側でできるため、選別の手間をかける必要はありません。ただし、いつ撮ったものかだけは分かるようにしてください。撮影年が分かると、使える・使えないの判断が一気に進みます。
写真の数が少なくても諦める必要はありません。1枚の写真でも、ゆっくり寄る・引く・部分を切り出すといった動きを付ければ、数秒の場面として成立します。 20枚あれば90秒の動画は十分に構成できます。
素材が足りないところはどう埋める?
足りない部分は、アニメーションの図解で埋めるのがもっとも確実です。
写真がない部分を無理に別の写真で埋めると、内容と画がずれて違和感が出ます。代わりに、その部分だけ図解にすると、情報として正しいまま画面が持ちます。埋め方の選択肢は次の4つです。
- アニメーションの図解:事業の流れ、拠点の分布、仕組みの説明。写真がなくても作れます
- テロップと数字の見せ方:創業年、拠点数、対応エリア、実績件数。数字は画面で大きく見せると強く残ります
- ストック素材:業種の雰囲気を出す一般的な映像。ただし使いすぎると「どこの会社でも同じ動画」になります
- スマホでの追加撮影:外観、看板、作業の手元。明るい時間に、動かさずに撮れば十分に使えます
このうち、もっとも注意が必要なのは3番目です。 ストック素材は手軽ですが、自社と関係のない映像が増えるほど、動画から自社らしさが消えます。使うなら、背景や導入部分に留めてください。 事業の説明そのものには、自社の素材か図解を使います。
4番目の追加撮影は、思っているより効果があります。外観と看板の2カットがあるだけで、動画の説得力が変わります。 制作側から「この3か所だけスマホで撮ってください」と指定する形なら、担当者の負担は30分程度で済みます。
どの業種でアニメーションが効くかはアニメーション動画はどんな業種に向く?撮影なしで作れる範囲で整理しています。
使う前に確認することは?
素材を渡す前に、次の4点を確認してください。ここを飛ばすと、完成間際に差し替えが発生します。
- 解像度:画面いっぱいに使うなら、横1,920ピクセル以上が目安です。資料に貼り付けた画像を抜き出したものは粗くなりがちです
- 写っている人:退職者、取引先の担当者、通行人。本人の同意が取れているかを確認します
- 写り込み:他社のロゴ、顧客名が読める書類、モニターの画面
- 情報の古さ:旧ロゴ、旧パッケージ、移転前の住所、現在は扱っていない商品
とくに1番目は、渡す前に気づきにくい部分です。 画面で見ると問題なく見えても、動画で拡大すると粗さが出ます。可能であれば、加工前の元データを探してください。
もう1つ、動画で使うと前提が変わる点があります。 資料の中で1秒眺める図と、動画で3秒映る図では、読める文字の量が違います。資料の図をそのまま使うと、文字が小さすぎて読めないことがほとんどです。 図は作り直す前提で渡してください。
よくある失敗は?
もっとも多いのは、素材を集める前に構成を確定してしまうことです。
構成を先に決めると、「この場面にはこの写真が必要」という条件が生まれます。しかし手元にその写真がなければ、撮影が必要になるか、構成を直すことになります。撮影なしで作る場合は、先に素材を棚卸しして、あるものから構成を組むのが順序です。
そのほか、次の点にも注意してください。
- 写真の質がばらばら:明るさと色味を揃える調整を入れないと、切り替わるたびに落差が出ます
- 縦向きの写真ばかり:横型の動画では上下が余ります。横向きの写真を優先して集めてください
- 同じ写真を何度も使う:素材が少ないときほど起きます。使い回すより、図解に置き換えるほうが自然です
- 音を軽視する:画が静かな動画ほど、音楽とナレーションの比重が上がります。ここは削らないでください
- 1本ですべてを伝えようとする:撮影なしの動画は情報を渡す用途に向きます。伝えたいことは3つに絞ってください
まとめ
会社紹介動画は、手元の写真と資料だけでも作れます。判断の基準は、伝えたいものが「情報」か「空気」かです。事業内容・強み・実績・拠点・沿革を伝えるなら撮影は不要で、働く人の表情や現場の規模感を伝えたいなら撮影が必要になります。素材は、外観と内部の写真、社員の写真、商品の写真、資料の図、ロゴデータの5種類が揃えば90秒の動画が成立します。足りない部分はアニメーションの図解で埋め、ストック素材は背景に留めてください。渡す前に、解像度、写っている人、写り込み、情報の古さの4点を確認します。
ムービルドは実写・アニメーションの両方に対応しているため、既存素材だけの構成でも、あとから撮影分を足す形でも制作できます。固定費を持たない体制のため、同じ内容でもコストを抑えてご提供できます。最低料金は編集のみで10万円〜です。ここからいくらになるかは内容次第です。制作期間は最短2週間〜となります。
手元の素材で作れるかどうかは、実際に見せていただければその場で判断できます。無料相談でお持ちの素材をお聞かせください。