商品紹介動画を1本つくって、SNS広告とECサイトの商品ページの両方に使う。よくある進め方ですが、多くの場合、どちらか一方は効かなくなってしまいます。
理由は、見ている人の状態が全く違うからです。SNSで流れてきた人は、その商品を知りません。一方、ECサイトを開いている人は、すでにその商品を検討しています。前者にはまず止まる理由が必要で、後者には判断材料が必要です。同じ冒頭では、どちらかが必ず外れます。
この記事では、見られ方の違い、冒頭3秒と画面比率の作り分け、1回の撮影から両方をつくる進め方を整理します。
SNSとECで、見られ方はどう違う?
違いは視聴者がその商品を知っているかどうかです。ここから、必要な情報も尺も変わります。
SNSのフィードに流れる場合、視聴者はその商品を探していません。関心がない状態から始まるため、冒頭3秒で「自分に関係がある」と気づかせなければ、そのままスクロールされます。ここで商品名やスペックを出しても、聞く理由がありません。
ECサイトの商品ページに動画を置く場合、見に来た人は検索や広告を経てそのページにいます。すでに関心があり、買うかどうかを判断するために、サイズ感・実際の使い心地・他の商品との違いなど、足りない情報を探している状態です。
整理すると次のようになります。
| SNS(フィード・リール) | ECサイトの商品ページ | |
|---|---|---|
| 視聴者の状態 | 無関心。止まる理由を探していない | 検討中。判断材料を探している |
| 冒頭に置くもの | 見た人の状況を言い当てる一言 | 実物のサイズ感・使用シーン |
| 尺 | 15〜30秒 | 60秒前後 |
| 画面比率 | 縦型(9:16) | 16:9 または 正方形 |
| 音 | 音なしが前提。基本的にテロップを入れることを推奨 | 出して見る人が多い |
| 目的 | 商品を知ってもらう | 買う判断を後押しする |
| 次の行動 | プロフィールやリンクへ誘導 | カートに入れる |
冒頭3秒はどう作り分ける?
SNSは「困りごと」から、ECは「実物」から始めます。この一点を変えるだけで、両方の成果が変わります。
SNS向けの冒頭は、視聴者の状況を言い当てる言葉を文字で出します。「年齢を重ねるにつれて、シミやシワが増えてきていませんか?」のような形です。音が出ていない前提なので、必ず文字で見せます。動きのある映像を組み合わせると、スクロールが止まりやすくなります。
EC向けの冒頭は、手に持っているところ、使っているところから入ります。検討している人がもっとも知りたいのは、写真では分からないサイズ感と質感です。パッケージを開ける、手に取る、使ってみる。この3つを最初に見せると、判断が進みます。
比較の対象を一緒に映すと、サイズ感がさらに伝わります。手のひら、スマートフォン、A4の紙など、見る人が大きさを知っているものを横に置くだけで、寸法の表記より正確に伝わります。「思っていた大きさと違った」という行き違いを減らせるため、購入後の満足度にも効きます。撮影時に比較物を1つ用意しておくだけなので、手間もかかりません。
尺の考え方は商品紹介動画は60秒と3分で役割が違うで整理しています。
1回の撮影で両方つくるには?
撮影費は日数で決まるため、1日の撮影から編集で作り分けるのがもっとも費用効率の高い進め方です。ただし、撮影前に決めておくことがあります。
- 構図に余白を持たせて撮る:16:9で撮った映像を縦型に切り出すと、被写体が画面から外れます。上下に余白を残して撮るか、縦横それぞれで撮り分けます。撮影前にカメラマンへ伝えておけば、その場で対応できます。
- テロップの位置を空けておく:縦型は下部にUIが重なります。SNS向けは画面中央寄りにテロップを置く前提で、その領域に商品を置かないようにします。
- カットを短く撮っておく:SNS向けは1カット1〜2秒でつなぎます。長回しだけだと素材が足りません。同じ動作を寄り・引きの両方で撮っておきます。
- 音なしでも成立する構成にする:SNS向けは基本的にテロップを入れることを推奨します。(EC向けはテロップを入れないシーンがあっても良いです。)原稿を書く段階で分けておきます。
- 納品形式をまとめて依頼する:縦型・正方形・16:9、テロップあり・なし。最初に伝えておけば同じ編集工程で出せます。後から追加すると再編集の費用がかかります。
とくに1つ目が後戻りできません。 撮ってしまった映像から縦型を無理に切り出すと、商品が切れるか、大きく引いた寸足らずの画面になります。撮影当日に一言伝えるだけで避けられる問題です。
よくある失敗は?
もっとも多い失敗は、横型の動画をそのまま縦型の枠に入れて公開することです。上下に黒帯や余白が入り、画面の半分以上が使われないため、SNSでは弱く見えます。
そのほか、次の点にも注意が必要です。
- テロップを入れない:SNSは音なしで見られます。テロップがないと内容がまったく伝わりません
- 1本を長く作りすぎる:SNS向けに30秒を超えると視聴完了率が落ちます。短い版を別に用意します
- EC向けに煽りの冒頭を入れる:すでに検討している人には不要で、かえって不信感につながります
- 価格を映像に入れ込む:改定のたびに撮り直しになります。価格を入れる場合は、テロップで入れて、後で差し替えられるようにします
- 測る指標を決めていない:SNSは視聴完了率と保存数、ECは購入率。見る数字が違うため、同じ基準で比べても改善点が見えません
まとめ
SNSでの視聴者は、その商品をまだ知らないことが多いです。ECでの視聴者は、その商品を知っています。ですので、SNSは見た人の状況を言い当てる一言から入り、15〜30秒・縦型・テロップ必須で止めてもらう。ECは実物のサイズ感と使用シーンから入り、60秒前後・横型で判断材料を渡す。1回の撮影から両方つくれますが、構図に余白を持たせて撮ることと、納品形式をまとめて依頼することを撮影前に決めておいてください。
ムービルドは1,000人以上のクリエイターコミュニティと連携し、日本全国で撮影できます。窓口はディレクター1名に一本化しているため、お客様がカメラマン・編集者のそれぞれとやり取りする必要はありません。費用の最低料金は撮影のみで5万円〜、編集のみで10万円〜、撮影&編集で15万円〜です。すでに素材をお持ちの場合は、編集のみで縦型と横型に作り分けることもできます。
どの形式が何本必要かは、売り方によって変わります。無料相談で商品と販路をうかがったうえでご提案します。
