商品紹介動画を作るとき、最初に決めるべきは中身ではなく尺です。60秒の動画と3分の動画は、似ているようで果たす役割がまったく違います。
60秒は「自分に関係がありそうだ」と思わせるための動画、3分は「中身まで理解して比較検討してもらう」ための動画です。この違いを踏まえずに1本で両方をまかなおうとすると、広告に出すには長く、商談で使うには情報が足りない動画になります。
この記事では、尺ごとの役割、問い合わせにつながる構成の順番、かたちのないサービスの見せ方までを整理します。
商品紹介動画は尺ごとに何が違う?
尺の違いは情報量の違いではなく、視聴者がどの段階にいるかの違いです。まだ商品を知らない人と、比較検討している人とでは、必要な情報がまったく異なります。
| 尺 | 主な使いどころ | 果たす役割 |
|---|---|---|
| 15〜30秒 | SNS・Web広告 | 「自分に関係がある」と気づかせる |
| 60秒前後 | ECサイト・商品ページ | 何ができる商品かを一通り理解させる |
| 2〜3分 | 商談・展示会・比較検討 | 使い方と導入後の姿まで理解させる |
| 5分以上 | 導入後の操作説明 | 実際の手順を再現できるようにする |
同じ商品でも、この4つは別々に作るのが本来の形です。ただし予算の都合で1本しか作れない場合は、まず60秒を作るのが実務的です。60秒版は商品ページにも商談にも使えて、そこから短く切って広告用にもできます。逆に3分版を短く切ると、話が飛んで意味が通らなくなります。
複数の尺をまとめて作る場合、撮影を1日にまとめれば費用は大きく変わりません。この考え方は動画制作の見積もりが3倍違う本当の理由で費用の内訳とあわせて整理しています。
問い合わせにつながる構成の順番は?
問い合わせが増える商品紹介動画は、商品ではなく困りごとから始まります。視聴者は自分に関係があると分かって初めて、機能の説明を聞く姿勢になるためです。
順番は次のとおりです。
- 困りごとを最初に置く(冒頭5〜10秒):「年齢を重ねるにつれて、シミやシワが増えてきていませんか?」のように、視聴者の状況を言い当てます。ここで「自分のことだ」と思われなければ、以降は見られません。
- その困りごとがどう変わるかを見せる:解決後の状態を先に見せます。機能の説明より、変化のほうが理解が早いためです。
- どうやって実現するかを説明する:ここで初めて商品名と機能に触れます。機能は3つまでに絞ります。多いほど印象に残りません。
- 信頼できる根拠を1つ入れる:導入社数、対応実績、第三者の評価など、事実として言えるものを1つだけ入れます。複数並べると広告色が強くなります。
- 次の行動を1つだけ示す:「資料請求」か「問い合わせ」か「無料トライアル」のどれか1つに絞ります。
冒頭で商品名とスペックを並べるのは、もっともよくある構成ですが、もっとも離脱されます。視聴者はまだその商品に関心がないため、スペックを聞く理由がないのです。
この順番は尺が短くなるほど効いてきます。15秒の広告では1と5しか入りません。困りごとを言い当てて、次の行動を示す。それだけです。60秒なら1から5までを一通り入れられますが、3の機能説明に時間を取りすぎると2の「変化」が薄くなります。変化に使う時間を機能説明より長く取ると、問い合わせにつながりやすくなります。
かたちのないサービスはどう見せる?
かたちのないサービスは、使っている場面と、使う前後の変化を見せます。物として映せないものを無理に象徴化しようとすると、抽象的で印象に残らない映像になります。
具体的には次の4つが使えます。
- 画面録画:ソフトウェアやWebサービスなら、実際の操作画面がもっとも伝わります。撮影が不要なため費用も抑えられます。
- 担当者が対応している様子:人が介在するサービスは、対応の様子そのものが商品です。電話やオンライン商談の場面を実写で撮ります。
- 業務の流れの比較:導入前と導入後の手順を並べて見せます。アニメーションが向いている部分です。
- 利用者の言葉:短いインタビューを1〜2本入れます。台本を読ませず、その人の言葉で話してもらったほうが信頼されます。
実写とアニメーションは対立するものではありません。実写で人と場面を見せ、仕組みや流れの説明だけアニメーションにする組み合わせが、かたちのないサービスではもっとも機能します。
費用の面でも、この組み合わせは合理的です。全編をアニメーションで作ると作り込みの分だけ費用が上がり、全編を実写で作ると仕組みの説明に無理が出ます。実写の撮影は1日に収め、説明部分だけアニメーションを足す形にすれば、どちらの弱点も補えます。画面録画で足りる部分は撮影自体が不要なため、さらに抑えられます。
商品紹介動画でよくある失敗は?
もっとも多い失敗は、社内の関係者の要望を全部入れて、機能の羅列になることです。各部署が「この機能も入れたい」と言い、結果として何が売りなのか分からない動画になります。機能は3つまで、と最初に決めておくと防げます。
そのほか、次の点にも注意が必要です。
- 商品の仕様が変わると使えなくなる:画面や価格を映し込むと、更新のたびに撮り直しになります。変わりやすい情報はテロップで入れ、後から差し替えられるようにしておきます。
- 音楽とナレーションだけで説明する:音を出せない環境で見られることが多いため、テロップは必須です。SNSではとくに、音なしで理解できるかが再生時間を左右します。
- 納品形式を決めていない:縦型・正方形・16:9では構図が変わります。撮影前に決めておけば、同じ撮影から複数の形式を作れます。
- 公開後に何も測らない:どこで離脱しているかが分かれば、次の1本で直せます。再生数だけを見ても改善点は分かりません。
まとめ
商品紹介動画は、尺によって役割が変わります。15〜30秒は気づかせるため、60秒は理解させるため、2〜3分は比較検討してもらうためのものです。1本しか作れないなら60秒版から始めてください。構成は商品ではなく困りごとから始め、機能は3つまでに絞り、最後の行動を1つに絞る。この順番が問い合わせにつながります。
ムービルドは実写・アニメーションの両方に対応しています。1,000人以上のクリエイターコミュニティと連携しているため、撮影が必要な場合も撮影地の近くのメンバーが対応でき、窓口はディレクター1名に一本化しているため、お客様がカメラマン・編集者のそれぞれとやり取りする必要はありません。費用の最低料金は撮影のみで5万円〜、編集のみで10万円〜、撮影&編集で15万円〜、制作期間は最短2週間〜です。ここからいくらになるかは内容次第で変わります。
どの尺から作るべきか迷う場合は、無料相談で商品と売り方をうかがったうえでご提案します。
