アニメーションでサービス紹介動画をつくるとき、最初に決めるべきなのは絵柄でも色でもありません。何から見せるかです。
もっとも多い失敗は、自社のサービス名と機能一覧から始めてしまうことです。作る側は「まず何のサービスか説明しなければ」と考えますが、視聴者はまだ、そのサービスを知る理由を持っていません。知る理由を先に渡してから、中身に入る。 この順番だけで、最後まで見てもらえる割合が変わります。
この記事では、4ブロックの構成、冒頭10秒の作り方、図解をどこまで深くするか、台本と絵コンテの進め方を整理します。
アニメーションのサービス紹介動画は、どんな構成にする?
「困りごと→仕組み→変化→次の一歩」の4ブロックが基本形です。90秒の場合の配分は次のとおりです。
| ブロック | 秒数の目安 | 何を見せるか | 画面の作り方 |
|---|---|---|---|
| 困りごと | 15秒 | 視聴者がいま抱えている状況 | 人と、その人が困っている場面 |
| 仕組み | 40秒 | サービスが何をして解決するか | 登場人物と流れを図で示す |
| 変化 | 25秒 | 導入後にどう変わるか | 導入前と導入後を並べる |
| 次の一歩 | 10秒 | 何をすればよいか | 連絡先、資料請求、無料相談 |
もっとも長く取るのは「仕組み」です。 ここがアニメーションの本領で、実写では見せられない部分です。逆に「困りごと」を長く取りすぎると、視聴者は答えが出てこないことに苛立ちます。15秒で十分に共感は作れます。
この4ブロックが機能するのは、視聴者の頭の中の順番と一致しているからです。人はまず「これは自分に関係あるか」を判断し、次に「どういう仕組みか」を知り、そのうえで「導入したらどうなるか」を想像し、最後に「では何をすればいいか」を探します。構成をこの順に並べれば、視聴者は考える手間なく最後まで進めます。
サービス紹介動画そのものの考え方はサービス紹介動画は使用場面と変化で見せるで整理しています。
最初の10秒に何を置く?
視聴者の状況を言い当てる一文を置きます。 サービス名でも、会社名でも、機能でもありません。
たとえば、請求業務を効率化するサービスなら「月末になると、経理担当者が請求作業に追われていませんか?」、人材紹介なら「求人を出しても、応募が来るのは求める人材と違う層ばかり」。視聴者が心の中で「そうそう」と言う一文が置ければ、そのあとの説明は聞いてもらえます。
冒頭10秒で守ることは3つです。
- 1〜3つの困りごとに絞る:たくさんの困りごとを並べると、自分のことに感じられません
- 人を出す:図形だけの画面より、困っている人が描かれているほうが自分ごとになります
- 音がなくても分かるようにする:テロップを入れます。スマホで見る人は音を出していないことが多いですし、Webサイトの自動再生は音が出ません
逆に、冒頭に置いてはいけないものもあります。 会社ロゴの長い演出、サービス名の大きなタイトル、「〜な時代になりました」といった一般論。これらは視聴者にとって新しい情報がなく、離脱の理由になります。
仕組みの説明はどこまで図解する?
「誰の何がどう動くか」までで止めます。 処理の内部やデータの構造まで描くと、視聴者は理解を諦めます。
図解の深さは、次の3段階で考えると決めやすくなります。
- 登場人物レベル:自社・顧客・提携先など、誰が関わるかを示す
- 流れレベル:どこからどこへ、何が動くかを線で示す
- 内部レベル:それぞれの処理の中で何が起きているか
サービス紹介動画に必要なのは、1と2までです。 3は営業資料と個別の説明に譲ります。動画の役割は全体像を渡すことなので、ここで詳細に踏み込むと役割が重なるうえ、尺も伸びます。
図解を作るときの原則は次のとおりです。
- 1画面に1つの主張:要素を並べるより、順番に足していきます
- 動かすのは注目させたい部分だけ:全部が動くと、視線の置き場がなくなります
- 色は3色まで:重要な部分に1色、それ以外は無彩色に近い色で置きます
- 専門用語は言い換える:図にしても、言葉が分からなければ伝わりません
「変化」のブロックでは、導入前と導入後を同じ画面に並べると効果が出ます。左に導入前、右に導入後。同じ人物、同じ場面で、状態だけが違う。この見せ方は実写では撮りにくく、アニメーションがもっとも強い場面です。
数字を出せる場合は、変化のブロックに置いてください。作業時間が何時間から何時間になったか、対応できる件数がどう増えたか。ただし、出せるのは自社で根拠を説明できる数字だけです。 「業界平均」のような出所の曖昧な数字は、後から問われたときに答えられず、信頼を落とします。
台本と絵コンテはどう進める?
アニメーションは、動きを付けた後の修正がもっとも高くつきます。順番を守れば、無駄なやり直しを避けられます。
- 構成を決める:4ブロックそれぞれに何を入れるか、箇条書きで整理します
- 台本を書く:ナレーションとテロップを文字で確定させます。この段階なら書き直しは数時間です
- 決裁者の確認を通す:ここが最重要です。台本の段階で最終決裁者に見てもらいます
- 絵コンテを作る:各場面の画面構成をラフな絵で確認します。絵柄と色もここで決めます
- 動きを付ける:ここから先の大きな変更は、作り直しに近い作業になります
- 音を入れる:ナレーション、効果音、BGM
3番目を飛ばすと、完成間際に大きな差し戻しが起こる可能性があります。 よくあるのは、担当者と進めて完成させたあと、役員から「事業の説明が違う」と指摘が入るケースです。台本はA4で1〜2枚なので、読んでもらう負担は少なく済みます。ここを通しておくかどうかで、制作期間が2週間変わることもあります。
なお、ナレーションは台本が確定してから収録します。順番を逆にすると、台本を直すたびに録り直しになります。人間のナレーターではなくAIナレーターを使う場合は、修正のたびに作り直せるため、この制約はかなり緩くなります。
よくある失敗は?
機能の一覧を読み上げる動画になってしまうことが、もっとも多い失敗です。
機能を並べても、視聴者は自分の業務にどう効くかを想像できません。機能そのものではなく、その機能があると何が変わるかを見せてください。「一括登録機能があります」ではなく「1件ずつ入力していた作業が、1回で終わります」と描きます。
そのほか、次の点にも注意してください。
- ナレーションとテロップの文言が違う:耳と目で別の情報が来ると、どちらも入りません。テロップはナレーションの要約に留めます
- 1本に全部詰め込む:複数のサービスがあるなら、1本にまとめず分けます。共通のデザインで作れば、2本目以降は安くなります
- 価格を映像に入れ込む:改定のたびに作り直しになります。価格を入れる場合は、テロップで入れて差し替えられるようにします
- 専門用語をそのまま使う:業界の外の人が見る前提なら、社名や商品名以外の専門用語は減らします
- 公開場所を決めずに作る:SNSで使う予定が後から出ると、縦型への再編集が必要になります
まとめ
アニメーションのサービス紹介動画は、「困りごと→仕組み→変化→次の一歩」の4ブロックで構成します。冒頭10秒は視聴者の状況を言い当てる一文に使い、サービス名や機能から入らないでください。図解は「誰の何がどう動くか」までで止め、詳細は営業資料に譲ります。制作は台本→決裁者の確認→絵コンテ→動きの順に進め、大きな変更は必ず台本の段階で済ませてください。
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自社のサービスをどの順番で見せるかは、事業の内容によって変わります。無料相談でサービスの中身と使う場面をうかがったうえで、構成をご提案します。
