同じ会社の採用動画でも、新卒向けと中途向けでは入れるべき情報が違います。
新卒の求職者は、働いた経験がありません。だから「この会社で自分がどう成長するか」を知りたいと思っています。一方、中途の求職者はすでに働いています。知りたいのは「入社後に何をどこまで任されるか」であって、成長の物語ではありません。
1本の動画で両方に応えようとすると、どちらにも情報が足りない動画になります。この記事では、それぞれが求める情報、中身と尺の変え方、予算の都合で1本しか作れない場合の進め方までを整理します。
新卒と中途で、求職者は何を見ているか?
見ているものの違いは、判断材料を持っているかどうかから生まれます。
新卒の求職者は、働くこと自体が未知です。仕事内容を説明されても、それが自分にできるかを判断する基準がありません。そのため、一緒に働く人の雰囲気と入社後にどう成長していくかが判断材料になります。若手社員が仕事をしている姿を見て、自分を重ねながら判断します。
中途の求職者は、すでに判断材料を持っています。前職と比べて何が違うか、任される範囲はどこまでか、チームは何人か。具体的な条件と仕事の中身が判断材料であり、抽象的な理念や職場の雰囲気は決め手になりません。むしろ、雰囲気の話ばかりだと「肝心なことを言っていない」と受け取られます。
この違いを整理すると、次のようになります。
| 求職者が知りたいこと | 新卒 | 中途 |
|---|---|---|
| 一緒に働く人の雰囲気 | ◎ | ○ |
| 入社後の成長の道筋 | ◎ | △ |
| 具体的な仕事内容 | ○ | ◎ |
| 任される範囲・裁量 | △ | ◎ |
| チーム構成・組織図 | △ | ◎ |
| 研修・教育の仕組み | ◎ | ○ |
| 会社の理念・ビジョン | ○ | △ |
| 入社後の立ち上がり方 | ○ | ◎ |
中途向けで「◎」が付いているものは、すべて具体的な情報です。 逆に新卒向けで「◎」が付いているのは、想像の手がかりになるものです。この違いが、そのまま動画の中身の違いになります。
動画の中身と尺はどう変える?
新卒向けは、若手社員の1日を追う構成が効きます。朝どこにいて、誰と話し、どんな仕事をして、何につまずいて、どう乗り越えたか。入社1〜3年目の社員に出てもらうと、求職者が自分を重ねやすくなります。
中途向けは、現場のリーダーや同じ職種の中堅社員に出てもらいます。話す内容は、担当する業務の範囲、意思決定の権限、使っているツール、チームの人数と役割です。理念の話は冒頭に一言あれば十分です。
尺も変わります。
| 新卒向け | 中途向け | |
|---|---|---|
| 目安の尺 | 2〜3分 | 90秒〜2分 |
| 出てもらう人 | 入社1〜3年目の社員 | 現場のリーダー・同職種の中堅 |
| 中心に据える内容 | 1日の流れ、成長の道筋 | 仕事の範囲、裁量、チーム構成 |
| 見られる場面 | 説明会、就活サイト | 転職サイト、スカウトメールのリンク先 |
中途向けを短くするのは、見られる場面が違うためです。 転職活動は在職中に進めることが多く、まとまった時間が取れません。スカウトメールから開いてもらう場合はとくに、90秒を超えると最後まで見られにくくなります。
構成の組み立て方は採用動画の応募を増やす構成の4条件で整理しています。
1本しか作れない場合はどうする?
予算の都合で1本しか作れない場合、1本に統合するのではなく、同じ撮影から2本に編集するのが現実的です。
理由は、撮影と編集で費用の決まり方が違うからです。撮影の費用は日数で決まるため、1日で新卒向けと中途向けの両方の素材を撮れば、撮影費は1日分です。編集の費用は増えますが、撮影費ほどの差にはなりません。
進め方は次のとおりです。
- 1日で若手と中堅の両方を撮る:午前に若手2名、午後に中堅2名、という配分にします。
- 共通で使える映像を先に撮る:オフィスの様子、仕事をしている風景、チームの打ち合わせ。これは両方に使えます。
- 質問は相手に合わせて変える:若手には「入社して大変だったこと」、中堅には「どこまで任されているか」を聞きます。
- 編集で2本に分ける:共通素材を使い回し、インタビュー部分だけ差し替えます。
- 公開場所ごとに尺を調整する:新卒向け2〜3分、中途向け90秒〜2分に整えます。
撮影の段取りは採用動画の撮影当日、出演する社員が緊張しないための進め方で詳しく整理しています。
よくある失敗は?
もっとも多い失敗は、新卒向けに作った動画を中途採用にそのまま使うことです。新卒向けは成長や雰囲気が中心のため、中途の求職者には「情報がない動画」に見えます。逆に、中途向けを新卒に見せると、専門用語が多くて理解されません。
そのほか、次の点にも注意が必要です。
- どちらにも当てはまる無難な内容にする:具体性が消え、どちらにも刺さらなくなります
- 中途向けで理念を長く語る:判断材料にならないため、冒頭で離脱されます
- 新卒向けで経営者だけが話す:求職者は自分に近い立場の人を見たがります
- 公開場所を決めずに作る:転職サイトは尺の上限が決まっていることがあります。事前に確認します
- 募集職種が変わっても使い続ける:職種が変われば求職者も変わります。年1回は内容を見直します
まとめ
新卒には将来を、中途には現場を見せてください。新卒の求職者は判断材料を持っていないため、成長の道筋と一緒に働く人の雰囲気が決め手になります。中途の求職者はすでに判断材料を持っているため、仕事の範囲・裁量・チーム構成といった具体的な情報が決め手になります。1本しか作れない場合も、統合するのではなく、1日の撮影から2本に編集し分けるほうが結果は出ます。
ムービルドは1,000人以上のクリエイターコミュニティと連携し、日本全国で撮影できます。撮影地の近くのメンバーが対応するため、地方の拠点でも交通費を抑えられます。窓口はディレクター1名に一本化しているため、お客様がカメラマン・編集者のそれぞれとやり取りする必要はありません。費用の最低料金は撮影のみで5万円〜、編集のみで10万円〜、撮影&編集で15万円〜、制作期間は最短2週間〜です。
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